Bitter Love〜無愛想な上司を助けたら、なぜか溺愛生活始まりました〜

「…………」


「嫌なら、逃げろ。今のうちだ」



そう言いながら先生は上着をバサッと脱いだ。脱いだシャツから見える筋肉。そして、程よく日焼けした肌。


人を、こんなに気持ちよくしといて、“嫌なら逃げろ”なんて勝手な人。


心から嫌っていたら、そもそも先生のことなんてほっとくのに。


……ああ、なんで私は断れないんだろう。


イケナイことをしているって頭の中ではわかってる。だけど……体が言うことを聞かない。



「……いや、じゃないです。先生の、好きにしてください」



のこのこと男の人の部屋に入った私も悪い。先生のことは嫌いじゃない。


受け入れる覚悟はできた。


私だってもう……子供じゃない。



「そう、か?俺、風邪ひいてるが……」


「そんなの、今更ですよ。散々キスしといて……。先生のすきにしてください」



私の返事を聞いてどこかほっとしている先生。そして、少し理性を取り戻したのか、自分が風邪ひいていることを思い出していた。
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