Bitter Love〜無愛想な上司を助けたら、なぜか溺愛生活始まりました〜
思いのほか広いベットの上。
その時は甘くて、とろけそうなこの状況に何も考えられなかったけど。
ただ、幸せでいっぱいだった。
「音川、好きだ……」
時々聞こえる先生の言葉。
その声が甘く耳の奥に残る。だけど私はその事に答えられなかった。
私はされるがままに、その日の夜を明かした……。
***
ーーチュン、チュン。
窓の外が聞こえるスズメの鳴き声。私は、そっと目を開けた。
ぼーっとする頭で、隣を見ると、そこにはすやすやと気持ちよさそうに眠る先生がいた。
普段こんな姿を見ることは無いからなんだか得した気分になる。
「……帰ろ」
しばらく先生の寝顔を眺めてからそうつぶやいた。先生を起こさないようにとそっとベットから抜け出し、散らばった服を拾い上げる。
風邪を引いているから、きっとすぐには起きないだろう。
このまま帰るのは申し訳ないと思いながら、私は帰る支度をし、テーブルに置き手紙を残す。