Bitter Love〜無愛想な上司を助けたら、なぜか溺愛生活始まりました〜
2、悪い噂とすれ違い


休み明けの出勤日。


ナース服に着替え、私は今日の担当患者の名前と情報収集をしていた。


一応各自担当の患者はいるけど、シフト制の仕事なので他の患者のことも知っておかなければいけない。


チラッと時計を見ると時刻は午前10時。


今日は遅番の勤務なので少し遅い時間の出勤。



「お疲れ様〜。陽葵、久しぶりに一緒の勤務だね」



ケアステで情報収集していると、早番の華が少し疲れた表情を浮かべながら私の隣の席に座る。


そろそろ休憩の時間なので仕事を切り上げてきたのだろう。



「お疲れ様。なんか……疲れてるね。なんかあったの?」



ここまであからさまに疲れた表情を見せたのは久しぶりかもしれない。華のことが心配になり、思わず聞いてしまう。



「そうなの!聞いてよ〜!虹原先生がさ〜」


「に、虹原先生?」



だけど華に聞いたことを後悔した。


まさかここで虹原先生の名前が出るなんて思わなかったから。
< 17 / 54 >

この作品をシェア

pagetop