Bitter Love〜無愛想な上司を助けたら、なぜか溺愛生活始まりました〜
虹原先生の名前が出ただけで無意識に心臓が跳ね上がる。
まぁ、あんなことをしてしまったから無理は無いけど……。今ここで虹原先生の話はなんか気まずい。
「ん?どうしたの?」
「な、なんでもない!虹原先生がどうしたの?」
わかりやすい反応をしてしまった私。
その事に気づいた華が不思議そうに首を傾げる。だけど咄嗟に誤魔化して、あははと笑い飛ばした。
でも……心臓が今にも口からとび出そう!
先生のことだから“あのこと”はきっと誰にも言わないだろうけど、私の身が持ちそうにない。
なんとかバレないようにしないと……。
「……変なの。まぁ、いっか。虹原先生ね、今日から出勤でしょ?」
「ああ、そうだね」
内心冷や汗タラタラ。
だけど華は少し疑問を持っただけでそれ以上は突っ込んでこなかった。
「私、今日虹原先生の診察についてまわったんだけど……やけに機嫌悪くてさ。ちょっとしたミスでもすぐ怒るわけ。今までちょっとしたミスくらいスルーなのに、急に怒るようになってさ、なんなんだろう」