Bitter Love〜無愛想な上司を助けたら、なぜか溺愛生活始まりました〜
それ以外もありそうだけど、私の中ではそれが1番心当たりだった。
「そうかな?でもさ〜、なんかちょっと浮かれてるっぽいんだよね。機嫌悪い癖に急にふ、って鼻で笑ったり」
「へ?」
に、虹原先生がそんなことを?
華の話を聞いて驚きを隠せない。あの虹原先生が人前で笑うなんて。
「あとさ、これも聞いた話なんだけど……」
「まだ続くの?」
業務開始5分前だけど華は話をやめようとしない。私はソワソワしながら時計を何度もチラ見する。
相当不満が溜まってんだろうな……。
これだけ虹原先生の話が出るなんて、よっぽどの事があったんだろう。
「この間、先生が自分のアパートに女の人を連れ込んでたらしいよ」
「へぁ?!」
はぁ、とため息をつきながら聞いていると、とんでもないことを話す華。
私は我慢出来なくなって思わず変な声を出す。
「な、何よ……。陽葵だって知ってるでしょ?虹原先生の“花嫁探し”」