Bitter Love〜無愛想な上司を助けたら、なぜか溺愛生活始まりました〜
もそもそと1人、お弁当のおかずを口の中に運んでいると、ふと人の視線を感じて食べる手を止めた。
「……音川、こんなとこにいたのか」
「虹原先生……!」
そーっと顔を上げて見てみると、そこには無表情の虹原先生が立っていた。
……いつの間に入ってきたの?
ドアの開く音は?全然気づかなかった。
ここにいるはずのない虹原先生がいて、頭の中はパニック状態。
「な、なんでここに……」
「何度かお前がここに入るのを見たからな。今日もここなんじゃないかと見ていたらいたから」
ガタッと音を立てて椅子から立ち上がる。
私は驚きを隠せなくて思いっきり動揺した。
「話したかったけどお前、あからさまに俺を避けてるだろ?今日目が合ったの1回だけだし。それに、この前の置き手紙はなんだ?あれで終わったつもりか?」
動揺してる私にジリジリと詰め寄る先生。
この状況は非常にまずい。また先生のペースに持っていかれそう。
なんとか先生から逃げようと視線を右に左に動かすけど、体が固まってしまい、言うことを聞かない。