Bitter Love〜無愛想な上司を助けたら、なぜか溺愛生活始まりました〜

誰もいないから助けも呼べない。


心臓がバクバクと爆発しそうなほど激しく鳴る。



「えっと……す、すみません……」


「すみません、じゃない。なんで出ていく時一言言わなかった?俺の事、そんなに嫌いか?」


「………」



何を言ったらいいか分からなくてとりあえず謝ったけど逆効果だったらしい。


先生は分かりやすく起こりだし、急に訳の分からないことを言ってきた。確かに黙って出ていったことには申し訳ないけど、誰が嫌いなんて言ったんだろう。


先生こそ、私のことなんて好きだ、とか言いながら他の人にも同じようなことをしてるんでしょう?


なんでそっちが怒るの。



「あの時、先生は風邪ひいてて、ぐっすり眠っていたので起こさなかっただけです。それに……」


「それに?」



ぎゅ、と手を握り深呼吸する。


これ以上先生になにか言ったら後悔しそうだった。だけど黒く渦巻いた気持ちが私の感情を爆発させる。


もう、止まらなかった。限界だった。
< 27 / 54 >

この作品をシェア

pagetop