Bitter Love〜無愛想な上司を助けたら、なぜか溺愛生活始まりました〜
なんだか急に話が逸れたような……。
抵抗もできず、ただ先生の温もりを感じながらたっていると、くちびるが塞がれた。
「んぅ……んん!」
「……というか、俺がいつ他の女を連れ込んだ?家族以外あのアパートにあげたのは音川が初めてだが」
「か、家族……?」
甘くて深いキスに脳みそがとろけそうになる。ぼーっとする頭で、先生の言葉を繰り返した。
「そうだ。俺には姉が2人、妹がひとりいる。世話焼きな奴らだからたまに来るんだ」
「……えぇ?!じゃあ目撃情報の女の人って……ご家族の方?!」
「だからそう言っているだろう?俺は好きな女しか家に入れないし、あんなことはしない。まあ、あの時は風邪をひいていて少々理性を失っていたが……」
思わぬ展開で誤解が解けた瞬間だった。
私はあんぐり、と口を開き、先生を見る。まさかご家族の方が目撃情報の女の人だったなんて……。
じゃあ、その見た人は勘違いしたってこと……?