Bitter Love〜無愛想な上司を助けたら、なぜか溺愛生活始まりました〜
すると、案の定華は慌てて駆け出した。
華は昔から時間ギリギリに出勤するから、今も相当時間がないのだろう。
駆け出した瞬間、何も無いところで転けそうになっていた。私はそんな後ろ姿を見ながら苦笑い。
「さてと……私も帰って寝よ」
スマホをしまい、足早に職場を後にする。
今回の夜勤は久しぶりにバタバタで眠気が限界を迎えていた。
私、音川陽葵(おとかわひまり)は県立総合病院で働く25歳の看護師。高校を卒業したあとは県外の看護学校に進学し、猛勉強した。
小さい頃からの夢だった看護師。
昔から病弱で看護師さんからたくさん支えられて、私も看護師になりたいと思ったのがきっかけ。私もたくさんの人を助けたい。
そう思いながら学生時代を過ごし、4年前、無事に国家試験に合格。なんとか看護師になれた。
専門学校を卒業したあとは地元の病院で働きたくて、就活をしていた。そしてこの県立総合病院に就職が決まり、今に至る。