Bitter Love〜無愛想な上司を助けたら、なぜか溺愛生活始まりました〜
ハッとして顔を上げる。
「この後、少し時間いいか?」
「……?大丈夫です」
「じゃあ、近くの公園で少し話してから帰ろう。ついでだからお酒も買ってこう」
なんだろう、と思って首を傾げたけど和馬さんの言葉に我に返る。
もしかして、私がなにか話そうとしてるの、気づいてた……?
「わかりました。でもお酒って……」
「まぁまぁ、軽く1杯。大丈夫。陽葵を襲ったりしないから」
公園で話すのはわかるけどなんでお酒?と思って聞き返した。そしたら、ニヤリと和馬さんは笑ってそう言った。
「なっ、別にそんなことは心配してないです!」
からかわれた気分になり、思わずキツく返してしまう。和馬さんにこんなふうに言えるようになる日がくるなんて思わなかった。
「あはは。悪い。じゃ、そこのスーパー行って、買ってくるか。好きな物選べ」
「……はい」
私はまた和馬さんのペースに持っていかれた。