Bitter Love〜無愛想な上司を助けたら、なぜか溺愛生活始まりました〜
4、上司からの溺愛


夜の公園は趣があってとても心地よい。


さわさわと優しい風が頬を撫でる。私と和馬はスーパーでお酒やらおつまみやらを買い込み、近くの公園のベンチに座る。


和馬さんとお酒を一緒に飲むことになるなんて。


私は、ドキドキしながら缶のフタを開けた。プシュ、という心地よい音が公園に響き渡る。


隣で和馬さんも同じようにビールのフタを開けていた。



「カンパイ」


「……カンパイ」



和馬さんは缶を私の前に出すと、コツン、と合わせてくる。


私も小さい声で、カンパイとつぶやいた。



「……陽葵。この間のことだが」



ビールを1口、飲み込むと和馬さんから話が始まる。いきなり本題に入ると思わなくて、びっくりしてしまう私。


だけど向き合わきゃ、と和馬さんの目を見た。



「はい」


「俺の気持ちはこの前から変わらない。お前のことを嫁にしたいと思ってるし、一生大切にしたい。御付き合いを通り越して結婚は早いかと思ったが……」
< 45 / 54 >

この作品をシェア

pagetop