Bitter Love〜無愛想な上司を助けたら、なぜか溺愛生活始まりました〜
4、上司からの溺愛
夜の公園は趣があってとても心地よい。
さわさわと優しい風が頬を撫でる。私と和馬はスーパーでお酒やらおつまみやらを買い込み、近くの公園のベンチに座る。
和馬さんとお酒を一緒に飲むことになるなんて。
私は、ドキドキしながら缶のフタを開けた。プシュ、という心地よい音が公園に響き渡る。
隣で和馬さんも同じようにビールのフタを開けていた。
「カンパイ」
「……カンパイ」
和馬さんは缶を私の前に出すと、コツン、と合わせてくる。
私も小さい声で、カンパイとつぶやいた。
「……陽葵。この間のことだが」
ビールを1口、飲み込むと和馬さんから話が始まる。いきなり本題に入ると思わなくて、びっくりしてしまう私。
だけど向き合わきゃ、と和馬さんの目を見た。
「はい」
「俺の気持ちはこの前から変わらない。お前のことを嫁にしたいと思ってるし、一生大切にしたい。御付き合いを通り越して結婚は早いかと思ったが……」