Bitter Love〜無愛想な上司を助けたら、なぜか溺愛生活始まりました〜

熱があるなら体温計らないと……と棚を漁り、ついでにおでこに冷たいシートも貼る。虹原先生は相変わらず不服そうな表情。


でも、こうして大人しくしてるってことはやっぱり熱があるからかな……。



「看病です!先生、一人暮らしなんですよね?明後日から仕事なんですからせめて1日休んでもらわないと、こっちが困るんです。とにかく、明日は病院から連絡来ても断ってください。断れないなら私から話をつけておきます!」


「…………」



先生の言葉にイラッとした。


本当にいつも自分のことは後回し。思わずキツい言い方してしまったけどここまで言わないと伝わらないと思うから。



「……わかった。から、音川はもう帰れ。お前も休みだろ」



キッと睨みつけるように先生の目を見ていると、はぁと諦めたようなため息が聞こえた。


そして、先生の言葉にやった、と思わず心の中で喜ぶ。仕事では敵わないけどプライベートなら“押せば”いけるじゃない。
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