【完結】婚約破棄したら意地悪悪魔に目を付けられました!?(仮)
■天才外科医は正義のヒーローになれる?

看病とキス

✱ ✱ ✱



「あれ、美耶子? そのジャケットって新品?」

「あ、うん。そうなの」

 あのジャケットを片霧先生からプレゼントしてもらった私は、仕事でもそれを着るようになった。
 色違いを買ってもらったけど、着心地も良くて着やすい。

「前のと違うヤツ?」

「あ、うん。色違いなの」

 早崎はとにかく、人の変化に気づくことが多い。髪型を変えた時もそうだし、服を変えた時もそう。
 人を観察してるからこそ、気づくことが出来るのかもしれない。

「へえ。いいじゃん、似合ってるよ」

「あ、ありがとう」

 私は「ごめん。私、営業行ってくるね。 じゃあ」と席を立つ。
 
「あ、美耶子」

「ん?」

 早崎から「悪いんだけど、これ外科の先生に渡しといてくんない? 頼まれてたんだよ」ととあるパンフレットを渡された。

「あ、うん。分かった」

 パンフレットを早崎から受け取り、片霧先生のいる御堂山病院へと向かった。




「お疲れ様です」

「おお、美耶子ちゃん。お疲れ様! 今日も元気そうだね」

「栗山先生、お疲れ様です」 

 御堂山病院の先生たちは、みんないい先生ばかりだ。 腕のいい先生がいるから、みんな御堂山病院に行くんだなと思うのだろうか。

「栗山先生、あの治験薬どうですか?」

「どうだろうね。まだ使い始めたばかりだから」

「そうですか」
< 25 / 43 >

この作品をシェア

pagetop