【完結】婚約破棄したら意地悪悪魔に目を付けられました!?(仮)
「カンファレンス……」
終わるの待つしかないか……。
そう思った時だった。
「おい、邪魔なんだけど」
と後ろから声をかけられる。
「すいません。……片霧先生!?」
「……またお前か」
片霧先生は私を見るなりため息を吐く。
「今度はなんの用だ」
医局へ入っていく片霧先生の後を着いていく。
「これを渡してくれと頼まれたんです」
早崎から渡されたパンフレットを片霧先生に手渡すが、片霧先生はパンフレットを見るなりゴミ箱へと投げ入れてしまう。
「ちょ、ちょっと!なにするんですか!」
私はゴミ箱からパンフレットを拾い上げて「捨てることないじゃないですか!」と片霧先生に伝えた。
「言っただろ。そんな薬になんの意味がある」
「新薬は患者さんへの新しい道標になります、絶対に。 手術をしなくても、患者さんを治せる日が来るかもしれないんですよ?」
私がそう伝えても、片霧先生には響かず「……バカバカしい。帰れ」と言われてしまう。
「確かに片霧先生は、天才外科医かもしれない。腕があるから、手術で患者さんを救えるかもしれないけど……」
本当にこの人は、悪魔だ……。心がない。
「俺は自分の腕で患者を治すことが一番だと思うけどね。 薬で治すことは、患者にとってはリスクしかないし、完璧じゃない。薬で治せるなら、誰だって苦労はしないんだよ」