【完結】婚約破棄したら意地悪悪魔に目を付けられました!?(仮)


「べ、別にそういうつもりじゃ……!」

 すると片霧先生は、私の頭に手を乗せて頭をポンポンとした。

「へ……?」

 キョトンとした顔をしているであろう私に、片霧先生は「でも、ありがとうよ」と微笑んだ。

 ーーードキッ。

「……どうした?」

 顔を覗き込む片霧先生に、私はつい目を逸らしてしまった。

「なんだよ、目を逸して」

「いえ……別に」

 なんで私……こんなにドキドキしてるのだろうか。

「赤くなってるぞ、顔。 熱でもあるのか?」

 私のおでこにコツンと自分の顔を近付けてくる片霧先生に、私は思わずビックリして「えっ……?」と片霧先生の目を見つめてしまった。

 ーーーっ! ち、近いっ!

「いや、あのっ……大丈夫ですからっ!」

 とは言ったものの、緊張してしまってよりドキドキしてしまう。

「やっぱりちょっと、熱あるな」

「な、ないですっ!ないです。熱なんて!」
 
 無理無理!こんなに距離近いなんて無理……!

「大人しくしてろ。熱あるんだから」

 片霧先生は私をひょいっと、お姫様だっこして私を抱き上げる。

「えっ!? あ、いやっ、ちょっと……片霧先生!?」

 い、いきなりお姫様だっこなんて……! 無理無理!心臓持たないっ!
 ど、どうしよう……!?

「大人しくしてろ。落ちたいのか?」

「……それだけは、無理です」
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