【完結】婚約破棄したら意地悪悪魔に目を付けられました!?(仮)
■天才外科医はやっぱりヒーロー
私の好きな人は心の優しい天才外科医です
「美耶子、なんかいいことでもあったのか?」
「え?」
早崎から「朝からニヤニヤしてるぞ」と言われ、自分の頬に手を当てる。
「え、本当に?」
「なんだ。本当にいいことあったのか?」
早崎は私に「だから、そんなに嬉しそうな顔してるのか」と資料に目を通す。
「実はさ、私片霧先生と付き合うことになったんだよね」
私がそう言うと、早崎は「はあっ!? 付き合うことになったあ!?」と驚きを見せている。
「そ、そんなに驚かなくても」
「いやいや、ちょっと待て!」
早崎は私の隣に来ると「おいおい。付き合うことになったって、どういうことだよ?」と問い詰めてくる。
「つーか、なんであんな悪魔と付き合うことになるんだよ」
早崎はブツブツ言っているが、私は「うん、まあ……色々ありまして」と答える。
「色々……ねえ。 おい。お前まさか、あの悪魔とヤッたのか?」
「えっ!? ち、違うよ!」
慌てて否定するが、早崎は「本当にヤッてないのか?」と疑問に思うようで、まだ聞いてくる。
「本当にヤッてないって。……ただ」
「ただ。なんだよ?」
早崎が私を横目に見る。
「看病は、してもらった」
「看病?」
「うん。熱があった時にね、看病してくれたの、片霧先生が」
早崎はそれを聞いて「ふーん」と私を見る。
「え、なに?」
「いや? ああいう男がタイプなんだって思ってさ」