【完結】婚約破棄したら意地悪悪魔に目を付けられました!?(仮)
「なに?自分から聞いてきたんじゃない」
早崎ってば、自分から聞いてきたのにひどくない?
「良かったな。元゙婚約者゙のこと、吹っ切れたみたいで」
「……うん、ありがとう」
二度と恋なんて、出来ないと思っていたけど、私は片霧先生のことを好きになった。
「で?付き合ってどれくらいなの?」
「まだ三日くらいかな?」
三日と言うと、早崎は驚きを見せ「三日? なんだよ、付き合いたてホヤホヤじゃん」と私を見る。
「そうだよ。付き合いたて、ホヤホヤです」
「……幸せになれよ、今度こそ」
「え? なんか言った?」
「いや、別に」
早崎が言った最後の言葉は聞こえなかった。
「じゃあ、俺営業行ってくるわ」
「うん、行ってらっしゃい」
営業に行くという早崎の後ろ姿を見送ると、私も「行ってきます」と営業に出かけた。
✱ ✱ ✱
【今からそっち行くね】
ある日の仕事終わり、片霧先生と家で会う約束をしていた私は、片霧先生の家へと向かった。
片霧先生の家に着くと、片霧先生が「美耶子、腹減ってるか?」と私に聞く。
「うん、お腹空いてる」
「焼きそばでも食べるか?」
「焼きそば?」
片霧先生が棚から出したのは、カップの焼きそばだった。
「カップ焼きそばだけどいいか?」
「うん。全然大丈夫」
片霧先生はほとんど料理はしないらしく、キッチンは割とキレイだ。