【完結】婚約破棄したら意地悪悪魔に目を付けられました!?(仮)


「え……? 婚約破棄?」

 私は母親に、婚約破棄をしたことを電話で告げた。

「うん」

「ちょっと、どういうこと? 婚約破棄って……何があったの?美耶子」

 母親からそう言われた私は、「うん、まあ……ちょっと色々あって、別れることになった」と答えるしかなかった。

「色々って……アンタ、本当にそれで良かったの?」

「良かったんだよ……きっと」

 それが椿のためになるなら、きっとそうするべきだったんだ。

「美耶子……」

「私なら大丈夫だよ、お母さん。 だから、気にしないでね」

 私は極力、明るく振る舞うことしか出来なかった。

「美耶子……なんかあったら、いつでも連絡しなさいね」

「うん。ありがとう」

 私は今日、大切な人を失った。 ずっとずっと大切だった愛おしい人を、失った。
 これ以上ない幸せだと、そう思っていたのに。

 私はこれから、どうやって生きていけばいいのだろうか。
 どうやって、これからの日々を過ごしていけばいいのだろうか。

 私には、これから幸せになれる日が、来るのだろうかーーー。

「あーあ……」

 何もかもを失った私に、希望の光が差し込むのは、もう少し先の話ーーー。




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