【完結】婚約破棄したら意地悪悪魔に目を付けられました!?(仮)


「ん、これ美味しいね。たらこバター味」

 片霧先生が買ってきてくれたのはソース味とたらこバター味で、私はたらこバター味を選んだけど、とても美味しい。
 たらこパスタよりあっさりしてるから、食べやすい。バターの風味も感じるのにくどくない。

「美耶子はそういうの好きそうだから、買ってきて正解だったな」

 ソース焼きそばを美味しそうに頬張る片霧先生に、私は「美味しい。私、たらこパスタよりこっちの方が好きかもしれない」と片霧先生の顔を見る。

 たらことか明太子って大好きなんだけど、これはすごく美味しい。たらこが食べたいけど、パスタだと重たいなーっていう日にこれはとてもいい。

「まさかカップ焼きそばで、そんなに喜んでもらえるとは思ってなかったわ。 逆にありがとうな」

「え? なんで?」

 片霧先生にお礼を言われることなんて、何一つない。そもそも、お礼を言うのは私の方なのに。

「そんなに美味しそうに食べてくれる美耶子を見てると、俺は幸せだなと思える気がするわ」

「そうかな……?」

「ああ。最近毎日オペ続きでちょっと参ってたから、美耶子の顔見たらなんか元気出た」

 私は微笑む片霧先生に向かって、「それは良かった。 片霧先生が疲れてる時は、これからも私が癒してあげたいな」と何気なく伝えると、片霧先生は「お前がいるだけで、俺はいつも頑張れるんだけどな」と笑ってくれた。

「……嬉しい。ありがとう」
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