【完結】婚約破棄したら意地悪悪魔に目を付けられました!?(仮)


 片霧先生が誰よりも頑張っていることは、私が誰よりも分かっているつもりだ。
 そんな片霧先生がいつも頑張れるように、私は心から応援したいと思ってる。

「……美耶子」

「ん……?」

 片霧先生と見つめ合うだけで、私は幸せな気持ちになる。

「……好きだ」

 普段片霧先生の口から好きだと言われることはないけど、こうして面と向かって「好きだ」と言われると、嬉しくなる。

「私も、大好きだよ。片霧先生」

「だから、いい加減、先生はやめろって」

「ごめん。ついクセで出ちゃうんだよね」

 この間から「片霧先生って呼ぶのは病院だけにしろ」と言われているのだが、ついクセで片霧先生と呼んでしまう。

「ほら、聖一(せいいち)って呼んでみろ」

「……聖一、さん」

「その調子だ。これからは名前呼びでいいから」

 私はもう一度「聖一さん、大好きだよ」と微笑むと、聖一さんは私にキスをする。

「……美耶子、相変わらずかわいいな、お前は」

「へっ?」

「そんなにかわいいと、襲いたくなるんだけど、どうしてくれる訳?」

 聖一さんにそう言われ、私は「ど、どうするって……どうすればいいの?」と聞き返すと、「美耶子から俺にキスしてくれたら、教えてやるよ」と意地悪な答えを返させる。

「えっ! そんなのずるいよ!」

「ほら、早くしろよ、美耶子」

 私は聖一さんの服の袖を引っ張り、そのまま聖一さんにキスをした。
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