【完結】婚約破棄したら意地悪悪魔に目を付けられました!?(仮)
■天才外科医との出会い
悪魔の天才外科医
「えっ! 椿くんと別れたーっ!?」
「うん」
椿と別れてから一週間、私は椿と別れたことを大学時代からの友人の梨穂(りほ)に告げた。
「わ、別れたって……なんで!?」
「……実は、椿から゙カミングアウドされてさ」
梨穂は「カミングアウト……って?」とアイスコーヒーを飲みながら私に問いかける。
「椿……゙男の人゙が、好きなんだって」
私がそう言った後、梨穂はアイスコーヒーを吹き出した。
「えっ!? そ、それって……」
吹き出したアイスコーヒーをお絞りで拭いている梨穂に、私は「うん。ゲイなんだって……椿」とアイスティーを口にする。
「そっか。そう、なんだ……」
梨穂は現実を受け入れられないという顔で、アイスコーヒーを飲んでいる。
「私も……正直、ちょっと混乱してる。 まさか、ゲイだったなんて……ね」
あんなにも愛した人が、まさかカミングアウトしてくるなんて……。想像すらしてなかったよ。
婚約してやっと幸せになれる。……そう思っていたのに。
「まあ今時、同性愛は珍しくはないけど……。愛してた人がそうだった、なんて知って、すぐに受け入れられないのは当たり前のことだよ」
梨穂は、分かってくれている。
「傷はまだ簡単に癒えないけどさ、これから先の未来なんて誰にも分からないし、気ままに生きていけばいいんじゃないかなあ」