イケメン双子と、甘く激しい攻防線。
「ほんと、どんな性格してるんだ。俺達を弄んで、そんなに楽しい?」

「み、みいちゃんは僕達を弄んでいたの……?そんなの、信じたくないよ。信じられない……」


悲壮感でいっぱいの2人。

ごめんなさい、私はこれからは立派な悪女になると決めているんです。いい加減君たちを自立させるために、私の存在がなくても元気でいられるよう、いい方向に持っていかなければならないんです。

……そう、一ノ瀬双子の親御さんにお願いされたのは、3ヶ月も前のこと。12月の初旬の頃だ。


「ねえ、実衣菜ちゃん。わたしからお願いがあるんだけど……」

「はい、なんですか?」


おつかいとか、そんなところだろうと思っていた私は、次の綾乃さんの言葉に目を剥いた。

「あの2人と、違う中学校を受験してほしいの」


え?

ん?

えっ、と……今のは私の聞き間違いで間違いない?

だって、あり得ないもんね。今もう12月だよ?第1志望の中学校もとっくに決まっていて、これから願書の提出をしなきゃなのに。


「あの、綾乃さん……。いくら綾乃さんのお願いでも、こればかりは、」


難しい顔をする私に、綾子さんが慌てたように続けた。


「…っそ、そうよね!やっぱり難しい、わよね……。だけどね、わたし、実衣菜ちゃんならいけると思うんだ。だって、小学生の頃から努力家だったでしょう?それに、ほら。まだ時期的に言えば間に合うかもしれないし」

「うーん……」


私は唸る。
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