夜の姫は、夜王子の夢を見る。
〜Episode1〜
1.roiとreine
この世界には、吸血鬼が存在する。
でも、日光に浴びても平気だし、ふつうの人間に溶け込めている。
けれど、ヴァンパイア学園では、その名の通り吸血鬼しか通えない。
その中でも特別に選ばれる、夜の姫―reineと夜王子―roi。
そのふたりは、絶対に学園内で吸血できる存在になり、契約を結ばなければならない。
契約と言えど、とても簡単なこと。
roiとreineが、一晩を共に過ごし、吸血鬼の象徴である赤い三日月のペンダントを付けるだけ、なのだ、が……。
私こと、夜姫サラがreineに任命され、roiが夜王亜嵐に任命されて契約部屋で一晩を過ごそうとしたとき。
なんでか、私のたった今の状況は、イケメンヴァンパイアの夜王くんに、押し倒されている。
どうしてこんなことになったのか、ときは数時間前に遡る。
○o。.◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇.。o○
『えー、これから、第一五三六回、ヴァンパイア学園、入学式を始めます』
学園長先生の掛け声と共に始まった、入学式。
その最前列にちょこんと座っていた私。
隣には夜王くん、その隣には幼馴染のあっちゃんこと夜咲愛華ちゃんが座っている。
「さっちゃん、楽しみ?」
「れ、reineには選ばれたくないけどねっ……」
あははと苦笑いを浮かべる私に、あっちゃんがニコリとエンジェルスマイルを浮かべた。
―うわぁ、あっちゃんの背中に羽が見えるよ。神々しいっ……!
私が目を細めると、あっちゃんは不思議そうにこてん、と首を傾げる。
『さあ、それでは始めましょう。roi、reineの投票選を……!』
今度は学園長が高らかに声を張り上げる。
そう、roiとreineは、投票で決まる。
まあまずまずに私に票なんて入らないと思うのだが、心配になってくる。
―わ、私はあっちゃんに入れようっ……roiは、あっちゃんの恋人の海斗くんにしようかな?
あっちゃんは恋人がいて、爽やか王子と謳われる、夜爽海斗くんだ。
海斗くんはイケメンヴァンパイアの一人であり、あっちゃんにすごく甘い。
ちなみにイケメンヴァンパイアっていうのは、この学園に四人存在する、その名の通りイケメンなヴァンパイアのことで、どこかの財閥の御曹司である。
海斗くんも隣の席に座っている夜王くんもそう。
夜王財閥、夜爽財閥の御曹司で、お金持ち。
でも、日光に浴びても平気だし、ふつうの人間に溶け込めている。
けれど、ヴァンパイア学園では、その名の通り吸血鬼しか通えない。
その中でも特別に選ばれる、夜の姫―reineと夜王子―roi。
そのふたりは、絶対に学園内で吸血できる存在になり、契約を結ばなければならない。
契約と言えど、とても簡単なこと。
roiとreineが、一晩を共に過ごし、吸血鬼の象徴である赤い三日月のペンダントを付けるだけ、なのだ、が……。
私こと、夜姫サラがreineに任命され、roiが夜王亜嵐に任命されて契約部屋で一晩を過ごそうとしたとき。
なんでか、私のたった今の状況は、イケメンヴァンパイアの夜王くんに、押し倒されている。
どうしてこんなことになったのか、ときは数時間前に遡る。
○o。.◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇.。o○
『えー、これから、第一五三六回、ヴァンパイア学園、入学式を始めます』
学園長先生の掛け声と共に始まった、入学式。
その最前列にちょこんと座っていた私。
隣には夜王くん、その隣には幼馴染のあっちゃんこと夜咲愛華ちゃんが座っている。
「さっちゃん、楽しみ?」
「れ、reineには選ばれたくないけどねっ……」
あははと苦笑いを浮かべる私に、あっちゃんがニコリとエンジェルスマイルを浮かべた。
―うわぁ、あっちゃんの背中に羽が見えるよ。神々しいっ……!
私が目を細めると、あっちゃんは不思議そうにこてん、と首を傾げる。
『さあ、それでは始めましょう。roi、reineの投票選を……!』
今度は学園長が高らかに声を張り上げる。
そう、roiとreineは、投票で決まる。
まあまずまずに私に票なんて入らないと思うのだが、心配になってくる。
―わ、私はあっちゃんに入れようっ……roiは、あっちゃんの恋人の海斗くんにしようかな?
あっちゃんは恋人がいて、爽やか王子と謳われる、夜爽海斗くんだ。
海斗くんはイケメンヴァンパイアの一人であり、あっちゃんにすごく甘い。
ちなみにイケメンヴァンパイアっていうのは、この学園に四人存在する、その名の通りイケメンなヴァンパイアのことで、どこかの財閥の御曹司である。
海斗くんも隣の席に座っている夜王くんもそう。
夜王財閥、夜爽財閥の御曹司で、お金持ち。
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