夜の姫は、夜王子の夢を見る。

4.甘すぎ危険

 イケメンヴァンパイア。

 残るふたりは誰だろうと思っていた私だけど、つい最近仲良くなった男の子吸血鬼達だと気づきました。

 一人は、人懐こい可愛い系の夜犬日菜太くんこと日菜くん。

 みんな、同じ色の髪、瞳の色だけど。

 ―あと一人は……ちょ、ちょっとしつっ、しつこいっていうか……あはは。

 あと一人、冥夜慎也くんこと冥夜くん。

 なんでかはわからないけれど、私を気に入っちゃったみたいで、仲良くなってから「サラサラ」って、しつこく迫ってくる男の子。

 好きにはなれない。

「おーいっ、あっちゃん、ひーちゃん、ゆっちゃん!」

 ちなみに最近、仲良くなった女の子吸血鬼がいる。

 ひーちゃんこと、夜村陽依ちゃん。

 ゆっちゃんこと、夜瀬優亜ちゃん。

 そしてあっちゃん。

 そんな仲良し四人グループが最近出来た。

 そんな三人に、玄関を出て手を振った。

「さっちゃん!」

「おはよう!」

「おっは〜!」

 ひーちゃんは明るい元気な吸血鬼。

 ゆっちゃんは控えめで大人しい吸血鬼。

 あっちゃんは優しい友達想いな吸血鬼。

 みんな個性があって、頭がよくて運動神経抜群な子。

 私なんかと比べものにならないくらい。

 ―本当、毎日が幸せだよ……。

 こんな平凡な私とつるんで、それでもっていつも笑顔で私を優しく扱ってくれる。

 そんなみんなが、私は大好きなのだ。

「そういえばどうなのよ、夜王くんとは?」

「おおっ、さっちゃんの惚気話、聞きたいねえ」

「うんうん、聞きたい聞きたい!」

 あっちゃんがにやにやと私の方をちょんちょん突く。

 それに釣られてひーちゃんもゆっちゃんも、にやにや迫ってくる。

 みんなは恋バナ大好きだから、唯一契約相手がいる私に、いつも恋愛話を振ってくる。

 私は、自称恋愛博士とか言ってるけど、恋には疎いって良く言われる。

「一週間に一回ぐらい……キッ、キスしてる……」

「「「ええっ⁉」」」

「しっ、しいっ!」

 大きく声を出して驚いたみんなに、人差し指を口に当てて、静かにのポーズ。

 ―う、うるさいよみんなっ!

「マジか、一週間に一回、ねえ」

「やばいね、すごいね」

「私のさっちゃんがあああ」

「み、みんな……すごいって何……?」

「鈍感小悪魔!」

 前にも小悪魔って言われたような気がします。

 ツッコミを即で入れてから、私はそんな面白いみんなに吹き出した。
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