夜の姫は、夜王子の夢を見る。
 今日のクリスマス、私は無事なのだろうか……。

○o。.◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇.。o○

「ん、あっ……」

 数時間後。

 私達は、ずうっとずっと、キス欲を果たしていた。

 やはり亜嵐くんとのキスは気持ち良くて、ぶわりと涙が止まらない。

 気持ちよくなるとなぜか涙腺が刺激されるのだ。

「亜嵐くっ、そこ……っ」

「ん、サラは首が敏感」

「やっ……」

 ぺろっと首を中心に舐めまくる亜嵐くんに、私はすがりつく。

 ―無理……っ、耐えられ、ない……っ。

 こんなときの対策。

「亜嵐くんっ……キス……してっ……」

「まーた発情しちゃって。そんなとろけた顔、俺以外に見せるなよ」

「わかっ、てるっ……」

「ん、ならおっけ」

 そう言うと悪戯っぽくちゅっとリップ音を立てて私の唇を奪う亜嵐くん。

 やっぱり甘い甘い亜嵐くんとのキスは、もうやめられなさそうだ。

「亜嵐くん……っ」

「ん?」

 優しく語りかけてくれる亜嵐くんに、ぶわっと涙を溢れさせる。

 ―亜嵐くんっ……、好き……っ。

「好き、です……っ」

「知ってる。何、言いたくなった? 可愛い」

 さっきから、ずっと可愛いばっかり。

 亜嵐くんは、可愛い症候群なのだろうか。

 なんて思っていても、幸せなことに変わりはなく、キス欲を果たしていたのだった。

○o。.◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇.。o○

 夜。

「さっちゃん!」

「こんばんはー」

「おっ邪魔しまーす!」

 ぞろぞろとみんなが入ってきた。

 ひーちゃんもあっちゃんも、ゆっちゃんも。

 そして日菜くんも夜冥くんも。

 それに……莉々花ちゃんも。

 ―本当に来てくれるんだなっ……今日の朝っていう、急な呼び出しだったはずだけど……。

 ちゃっかり来てくれてるみんなに、微笑みが浮かぶ。

「ありがとうっ、来てくれて!」

「そりゃ、さっちゃんのお誘いだもん、断るわけないでしょ!」

「こちらこそ、誘ってくれてありがとう!」

 みんなは、本当に優しい。

 私のことを大切に扱ってくれる。

 そんなみんなが、私は大好きでたまらない。

 個性的で、ときどき喧嘩もしちゃうけど、喧嘩するほど仲が良いとも言うし、仲は深まっていくばかりで。

 本当……みんなには感謝しかない。

「みんな……ありがとう、本当に」
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