夜の姫は、夜王子の夢を見る。
―亜嵐くん、甘すぎる……心臓が、持たないよ……。
私はどきどきとうるさい心臓のところをぎゅうっと掴んで、むうっと亜嵐くんを振り向いた。
そうしたら、あまりにも整った顔が近すぎてかああっと顔が赤くなる。
「亜嵐くん、その……なんで目の色、みんなにバレてないの……?」
「ああ、んー……俺の特殊能力で、みんなには見れないみたい」
「特殊能力……?」
「そう。生まれたときからある、特殊能力。あともう一つあるんだけど」
ふ、ふうん……?と疑問形に頷く。
特殊能力っていうのが、吸血鬼の誰かの中にあるということは知っていたけれど、こんな身近に、そこまで特殊じゃなかっただなんて。
ちょっぴり失礼だから、亜嵐くんには言えないけど。
私は紅いふわふわカーペットの上で立ち止まりながら考える。
―それに、今日の夢は……何だったの……? 私が、飛んで、落ちて、亜嵐くんに助けられる夢……あと、もう一つの特殊能力って?
はて、また首を傾げる私に、亜嵐くんはまた甘い声で囁く。
びくりと私の体は跳ね上がってしまうので、もう心臓は破裂寸前。
「まーた、何考えてんの?」
「ひゅあっ……あっ、亜嵐くん、それやめて……っ! ご飯作るの……っ!」
耳がぞわっとして、体が反応しちゃうから。
心の中で付け足して、離れてくれた亜嵐くんに安堵してからキッチンに向かう。
今日の朝ご飯は、家でよく出る目玉焼きとかにしようと思っている。
そして、数分後。
ゆったり、頬杖をつきながらテレビを見ている亜嵐くんの前に、朝ご飯を置く。
「亜嵐くん、出来たよ……っ」
「……んわ、すご。サラって料理上手かったんだ」
「お、女の子としてこれぐらいは出来るよ、みんな!」
―す、素直に褒めてくれるとは思わなかったな……あはは。
私はいただきますと口にして、朝ご飯を口にした。
「いただきます」
亜嵐くんも食べ始めて、美味しいかな……と不安を抱く。
「ん、うっま。サラ、やっぱ天才じゃん」
「ありが、とう……?」
嬉しいや、とえへへと笑ったら、亜嵐くんはさっとそっぽを向いた。
手で顔を覆って、隠している。
「あ、亜嵐くん?」
「いや……そんな無防備な笑顔、見せないで欲しい」
「えっ……」
私の笑顔がそんなに気持ち悪かったってことだろうか。
でも、亜嵐くんを良く見れば、耳が真っ赤になっていることに気づいた。
―て、照れてる……?
私はどきどきとうるさい心臓のところをぎゅうっと掴んで、むうっと亜嵐くんを振り向いた。
そうしたら、あまりにも整った顔が近すぎてかああっと顔が赤くなる。
「亜嵐くん、その……なんで目の色、みんなにバレてないの……?」
「ああ、んー……俺の特殊能力で、みんなには見れないみたい」
「特殊能力……?」
「そう。生まれたときからある、特殊能力。あともう一つあるんだけど」
ふ、ふうん……?と疑問形に頷く。
特殊能力っていうのが、吸血鬼の誰かの中にあるということは知っていたけれど、こんな身近に、そこまで特殊じゃなかっただなんて。
ちょっぴり失礼だから、亜嵐くんには言えないけど。
私は紅いふわふわカーペットの上で立ち止まりながら考える。
―それに、今日の夢は……何だったの……? 私が、飛んで、落ちて、亜嵐くんに助けられる夢……あと、もう一つの特殊能力って?
はて、また首を傾げる私に、亜嵐くんはまた甘い声で囁く。
びくりと私の体は跳ね上がってしまうので、もう心臓は破裂寸前。
「まーた、何考えてんの?」
「ひゅあっ……あっ、亜嵐くん、それやめて……っ! ご飯作るの……っ!」
耳がぞわっとして、体が反応しちゃうから。
心の中で付け足して、離れてくれた亜嵐くんに安堵してからキッチンに向かう。
今日の朝ご飯は、家でよく出る目玉焼きとかにしようと思っている。
そして、数分後。
ゆったり、頬杖をつきながらテレビを見ている亜嵐くんの前に、朝ご飯を置く。
「亜嵐くん、出来たよ……っ」
「……んわ、すご。サラって料理上手かったんだ」
「お、女の子としてこれぐらいは出来るよ、みんな!」
―す、素直に褒めてくれるとは思わなかったな……あはは。
私はいただきますと口にして、朝ご飯を口にした。
「いただきます」
亜嵐くんも食べ始めて、美味しいかな……と不安を抱く。
「ん、うっま。サラ、やっぱ天才じゃん」
「ありが、とう……?」
嬉しいや、とえへへと笑ったら、亜嵐くんはさっとそっぽを向いた。
手で顔を覆って、隠している。
「あ、亜嵐くん?」
「いや……そんな無防備な笑顔、見せないで欲しい」
「えっ……」
私の笑顔がそんなに気持ち悪かったってことだろうか。
でも、亜嵐くんを良く見れば、耳が真っ赤になっていることに気づいた。
―て、照れてる……?