【完結】あ、すみません。私が見ていたのはあなたではなく、別の方です。
ヴェルナー殿下のお墨付きをもらい、私とライナルトさまはバルコニーに向かうことになった。
ふたりきり……! ふたりきりだわ……!
護衛の仕事を中断させしまうのは心苦しいのだけど、私は胸をドキドキと高鳴らせながらバルコニーへ足を踏み入れた。
会場の熱気はどこへやら。暑かったから、外の空気がちょうど良い。
バルコニーの柵の近くまで向かい、そっとそれに触れる。ひんやりしていて気持ちいい。
ライナルトさまは私の隣に来てくれて、一緒に外の空気を吸った。
……ああもう、これだけでとっても幸せ。
「……どうして、俺なんだ? 自分で言うのもなんだが、恐れられているんだぞ?」
「……それは、ヴェルナー殿下の護衛だからでもあるでしょう?」
ライナルトさまがヴェルナー殿下の護衛になってから、数年経っている。
最初に殿下とナターリエさまの傍にいるライナルトさまを見たときは、おふたりの友人なのかと思った。
それだけ、彼らの周りは輝いて見えたものだ。
キラキラとまぶしくて、近付けない存在。
男爵令嬢という身分だもの、私。近付こうと思ったことはない。ただ、遠くからライナルトさまが無事であることを祈っていたの。
ライナルトさまをちらりと見ると、彼は真っ直ぐに遠くを見ていて、やっぱり格好いいなと思う。
ふたりきり……! ふたりきりだわ……!
護衛の仕事を中断させしまうのは心苦しいのだけど、私は胸をドキドキと高鳴らせながらバルコニーへ足を踏み入れた。
会場の熱気はどこへやら。暑かったから、外の空気がちょうど良い。
バルコニーの柵の近くまで向かい、そっとそれに触れる。ひんやりしていて気持ちいい。
ライナルトさまは私の隣に来てくれて、一緒に外の空気を吸った。
……ああもう、これだけでとっても幸せ。
「……どうして、俺なんだ? 自分で言うのもなんだが、恐れられているんだぞ?」
「……それは、ヴェルナー殿下の護衛だからでもあるでしょう?」
ライナルトさまがヴェルナー殿下の護衛になってから、数年経っている。
最初に殿下とナターリエさまの傍にいるライナルトさまを見たときは、おふたりの友人なのかと思った。
それだけ、彼らの周りは輝いて見えたものだ。
キラキラとまぶしくて、近付けない存在。
男爵令嬢という身分だもの、私。近付こうと思ったことはない。ただ、遠くからライナルトさまが無事であることを祈っていたの。
ライナルトさまをちらりと見ると、彼は真っ直ぐに遠くを見ていて、やっぱり格好いいなと思う。