美貌の御曹司は、薄幸の元令嬢を双子の天使ごと愛し抜く

晴臣は立ち上がって萌のすぐ隣に移動すると、腰を下ろすなりぎゅっと力強く抱きしめてきた。

「ごめん。俺は君の言葉を鵜呑みにして、一番苦しい時にそばにいてあげられなかった」

三年前と変わらぬあたたかい腕に包まれ、視界がゆらりと揺れる。

「本当にごめん。あの時に気づいてあげられていたら、ひとりで悩んで辛い思いをさせることもなかったのに」

怒りと悔しさを滲ませ、晴臣が懺悔するように頭を垂れた。

自分を抱きしめる腕にそっと手を添えながら、萌はゆっくりと首を横に振る。

晴臣が謝ることはなにひとつない。そう伝えたいのに、声が喉に張り付いて話せそうにない。

「今さらと思われても仕方ないけど、三年前から変わらず萌が好きだ。君と……いや、君たちと、家族になりたい」

晴臣の言う『君たち』が、陽太と光莉を指しているのはあきらかだ。

勝手に子供を生んでいたのをひと言も責めずに受け入れてくれる彼の優しさに胸を打たれるが、素直に頷けない理由がある。

「……私、なんです」

萌はそっと彼の腕を押し戻し、距離を取って座り直した。

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