美貌の御曹司は、薄幸の元令嬢を双子の天使ごと愛し抜く

車を走らせること四十分ほど。市外にあるふれあいパークに着いた。

「わぁっ! ママみて!」
「おっきー!」

これまで近所の小さな公園しか行ったことのない双子は、大きな観覧車や、抜けるような青空と緑溢れる広々とした芝生広場に大興奮。ふたり揃って弾けるような笑顔で駆け出して行く。

楽しそうに芝生を駆け回ったり、石畳の階段から飛んでみたり、初めての場所にも関わらず臆せずに遊び始めたのを見て、いつの間にか随分成長したのだと感じた。

そのままふれあい広場に移動し、早速うさぎやモルモットに餌をあげることにした。

「きゃー! うしゃぎしゃん! ママみて、ひかりのおひじゃ」
「うん、お膝に乗ってくれたね。優しくなでなでだよ」
「うんっ!」
「ママ、なんでうしゃしゃん、よーたにこない?」
「まずは座らないと、うさぎさんは来ないんじゃないかな?」
「よーた、しゅわる」

大人しくベンチに座り、うさぎを膝の上に乗せて撫でる光莉と陽太の愛らしさに、つい頬が緩む。どうやらそれは晴臣も同じだったらしい。

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