美貌の御曹司は、薄幸の元令嬢を双子の天使ごと愛し抜く
9.愛しい日々《晴臣Side》

とん、と肩に衝撃を受けて意識が覚醒した。

目の前には光莉のボサボサ髪の小さな頭と、陽太の柔らかそうなふかふかの足がある。

(今日は陽太に蹴られたのか)

昨日は光莉が寝返りをうった瞬間に、彼女の拳がみぞおちにヒットした。声を上げるほどの痛みはないが、眠りから覚めるくらいには驚いた。

晴臣はくすっと笑いながら肘を立て、手のひらで頭を支えた状態でローベッドの上を見渡すと、昨夜まっすぐに寝かせたはずなのに光莉は九十度、陽太は百八十度回転している。

ふたりの寝顔を覗き込んでみると、くぅくぅと寝息を立てている様はまるで天使のように愛らしい。

やんちゃな天使たちの奥でぐっすり眠っている萌はブランケットをぎゅっと握りしめ、猫のように身体を横向きに傾けて丸まっている。

(可愛いな)

自分の子である光莉と陽太はもちろん可愛い。なにがあっても守ってやりたいと思うし、必ず幸せになってほしい。

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