美貌の御曹司は、薄幸の元令嬢を双子の天使ごと愛し抜く

晴臣の話を真剣に聞いていた光莉の眼差しは、初めて出会った時の萌を彷彿とさせる。どこか不安そうな表情なのに、その瞳には聡明さが宿っていた。

陽太はまだ理解しきれていないのか、きょとんとした顔をしていたのも可愛らしい。

ともあれ、そうしてふたりに父親だと受け入れてもらえたのが一昨日のこと。

昨日は朝から四人で室内型の遊園地へ行った。光莉と陽太はボールプールやトランポリンに大はしゃぎで、一日中思いっきり身体を動かして遊んだせいか、夕食を食べ終えた直後にこてっと眠りに落ちた。

その後、萌と改めて今後について話し、彼女の仕事の引き継ぎができ次第、この家で四人で生活を始めようと決めた。それに伴う準備も徐々に進めていかなくてはならない。

双子にとっては生まれた場所や、祖父母のように慕う田辺たちと離れることになる。

寂しい思いをさせてしまう分、思いっきり愛していこうと決意を新たにしたのだった。


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