美貌の御曹司は、薄幸の元令嬢を双子の天使ごと愛し抜く

(今度こそ、萌さんを幸せにします。どうか娘さんをください)

田辺に話したように、墓の下で眠る萌の両親へ誓いを立てる。

すると、すでに立ち上がった双子が両足にしがみついていた。

「パパも、ねんね?」
「ねんねじゃないよ。目を閉じて、じいじとばあばとお話してたんだ」
「おはなし? なにー?」
「ん? ママをパパのお嫁さんにくださいってお願いしたんだよ」
「およめしゃん?」

光莉が興味深そうに聞いてくる。

「そう。大人になると、男の子は大好きな女の子にお嫁さんになってもらうんだ」

晴臣が光莉に説明している横で、萌は退屈になって砂利で遊び始めた陽太を窘めている。その耳が赤くなっているのに気づき、抱きしめたくて堪らなくなった。

そうして萌の両親の墓参りを終えた四人は、ホテルアナスタシアへやって来た。

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