美貌の御曹司は、薄幸の元令嬢を双子の天使ごと愛し抜く

「妻を愛するただの男、か。その通りだな」

優秀な秘書の助言を反芻していると、和室の扉がそっと開いた。

「寝た?」
「はい。興奮してなかなか寝付かなかったですけど、やっとぐっすり寝てくれました」

萌が質問に答えている間にも、晴臣は立ち上がって彼女に向かって歩みを進める。

「晴臣さん?」
「ごめん、限界なんだ。萌がほしい」
「え? きゃっ!」

彼女を抱き上げ、和室の隣にあるベッドルームへと向かった。キングサイズのベッドに萌をゆっくりと下ろすと、すぐに彼女に口づける。

「昼からずっと、いや、三年の間ずっと……この時を待っていたんだ」

ホテルのロゴが入ったパジャマのボタンをひとつずつ外し、そのたびに覗く素肌に唇を寄せた。そのたびに漏れる吐息と、恥ずかしそうに唇を噛む萌の表情が晴臣の劣情をどこまでも煽る。

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