美貌の御曹司は、薄幸の元令嬢を双子の天使ごと愛し抜く

「もちろん、全部あげる。俺のすべては君のものだ」
「嬉しい……。今日は嬉しいことだらけで、泣いてしまいそうです」
「まだまだ。夜は長いんだ、今から泣いてたらもたないよ?」

本当は、晴臣も泣いてしまいそうだった。萌が可愛くて、愛しくて、どうしようもないほど高ぶっている。

だからこそ不敵に微笑み、強引に話を終わらせてその唇を塞いだ。

「んっ……」

何度も口づけを繰り返し、身につけているものをすべて取り去り、これまで離れていた期間を埋めるように抱き合った。

晴臣の指先や舌での愛撫に身悶える萌は最高に淫らで美しく、子猫のような嬌声に際限なく煽られる。

弱い部分を執拗に責め、熱く滾る自身を埋め込み、愛情をぶつけるように律動する。余裕も技巧もない、ただひたすら本能のままに愛する行為は、信じられないほどに気持ちいい。

「萌、好きだよ。ずっと、君だけを愛してる」
「私も……、あっ、んん!」

二度と離さないとばかりに強く抱き込み、彼女の最奥まで自分を刻み込む。

幾度となく言葉と身体で愛を伝え合いながら、萌の誕生日の夜は更けていった。






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