美貌の御曹司は、薄幸の元令嬢を双子の天使ごと愛し抜く

目が覚めたらベッドにいて、隣には美しい寝顔の晴臣が眠っていたため、腰が抜けるほど驚いた。

自分で移動した記憶はないので、きっと彼が運んでくれたのだろう。そう考えると顔から火が出るほど恥ずかしい。

その時の萌の様子を思い出したのか、晴臣はクスッと笑って言った。

「迷惑じゃなかったし、ぐっすり眠れたようで安心した。そこで提案なんだけど、昨日みたいに一緒のベッドで寝ることにしないか?」
「えっ?」
「夫婦なんだし、その方が距離も縮まりやすいと思う。どう?」

そう問いかけられ、萌は結婚を提案する際の晴臣の言葉を思い出した。

『俺は両親を安心させるため、そして会社を継ぐ身として社会的信頼や跡継ぎを得るために結婚したい』

彼の妻になるということは、桐生自動車の跡継ぎをもうける責務を負うことになる。そのためには、いずれ彼と身体を重ねなくてはならない。

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