始まりは愛のない契約でしたが、パパになった御曹司の愛に双子ごと捕まりました
その姿を想像するだけで、胸が張り裂けそうに痛む。
萌が思わず晴臣のシャツの胸元をぎゅっと握ると、彼の喉がグッと鳴った。
部屋まで無言のままたどり着き、玄関のドアが閉まった瞬間に抱きしめられる。
「ひゃっ」
「萌、君を抱いてもいいか?」
一瞬、萌の思考回路が停止した。
あまりに非現実的な言葉で、理解が追いつかない。
(だって、まさか、そんな……)
晴臣の腕の中で身動ぎできないまま、頭の中で意味のない言葉ばかりがぐるぐると駆け巡る。
けれど徐々に言われた言葉が身体中に染み込んでいくと、恥ずかしさとともに女性としての喜びが溢れてくる。
彼と家族になりたい。晴臣の妻となり、彼に抱かれてみたい。
それは紛れもない萌の本心だった。