前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
【運命の出逢い】
『――!必ず君を見つける!その時は――』

また同じ夢…
悲痛な声で叫ぶ男性の声で、目が覚める。
大学に入った頃から時々見ていたけど、最近では、ほぼ毎日見ている夢…

男性は、歴史の本で見た平安貴族らしき服装で、首から上は靄がかかり、顔が見えない。
貴方は…一体誰なの?

私、星部 綾奈(ほしべ あやな 26歳)は、小さい頃に両親を亡くし、母方の祖父母に大切に育てられた。

大人しい性格と、祖父母に育てられたのもあって、皆が教室で話している流行りの会話についていけず、教室ではずっと本を読んでいた。

勉強は楽しくて、成績はいつもトップ。
特に、洋画が好きな祖父母の影響もあり、学習用の洋書を読み始めてから、英語が得意になった。

日頃、挨拶だけを交わすクラスメートが、テスト前だけ『困った時の星部』って、寄って来た中学時代。

高校に入ると、2人に迷惑をかけないように、バイトをしながら必死で勉強し、国立大学の経済学部に入学。
得意な英語が功を奏して、家から通える、大手外資系総合コンサルタントファームに採用され、支部の管理事務員として勤めている。

自信に満ちあふれる人達が、切磋琢磨して、時には意見をぶつけ合う姿は、別世界…

その中で、私は透明のガラスに囲まれて、周りの人には見えていないように、ただ、膨大な事務処理業務をこなす毎日だ。
< 1 / 112 >

この作品をシェア

pagetop