前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
北斗さんは、私に近づいて抱きつくと、耳元で、
「ベッドで俺を欲しがる綾奈の声を知っているのは、俺だけの特権だ」
色気ある声で囁いた。
「や、止めてください!恥ずかしいです!」
イチャつく2人を見て、ジョージさんは、お手上げポーズで、首を横に振っていた。

「日本ではこんな時、ごちそうさまって言うんだったな。ほら、契約書にサインしたから、早く出て行け」
「素直に始めから、そうしろよ」
「僕も癒やしてくれるワイフが欲しいよ。綾奈さん、北斗に飽きたら、いつでも連絡してね」
「私は…この命が尽きるまで、北斗さんの傍にいます」
「愛されているね、北斗…良かった。親友が、綾奈さんみたいな人に出会えて。北斗のこと頼んだよ」
「はい。またお会い出来る日を、楽しみにしています」
「そうだね、来月また会えるから、楽しみにしてるよ。北斗、詳しいことは帰国してから、Webで話そう」
「あぁ、宜しく」
「僕達が仕事中は、綾奈さんにボディガードの女性を付けるから、安心しなよ。あっ、僕のことは警戒せず、スルーするように伝えるけど」
「そこはスルーするな。誰であっても、男は近づけるな」
「どんな時も冷静な北斗が、焦る姿を見るのは楽しいね。声もいつもと違う音色で、こっちが恥ずかしいよ。じゃあ、綾奈さん、お待ちしてますよ」
私は2人の会話についていけず、戸惑った笑顔で会釈をした。

さっき、来月また会おうって…
北斗さんだけじゃなく、私もって言い方だったよね…
< 101 / 112 >

この作品をシェア

pagetop