前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
想像するだけで、顔から火が出そう…
「頑張って…みます」
「あぁ、言い忘れていたが、イギリスから帰って来たら、1ヶ月後に、結婚式をするから」
「結婚式!?」

キスの余韻から目が覚めた。
新婚旅行でもビックリしてるのに、結婚式だなんて…

北斗さんとは、結婚式のことを口にすることも無かったし、もう十分幸せだと思っていたから…
「綾奈を、こんなに素敵な女性に育ててくれたお2人もそうだが、亡くなったご両親にも、花嫁姿を見せたいんだ」
「…ありがとうございます、北斗さん」
星也を見て、泣きながら喜んでくれた祖父母…
そして、私を産んでくれた両親。
母になって分かる…
4人に沢山の愛を貰って、私は北斗さんに出逢えた。
胸がいっぱいになる。

「それと、リングボーイは、もちろん、星也にお願いするよ」
「えっ?星也が…」
私は、星也のその姿を想像するだけで、涙が溢れてきた。
「綾奈、涙を流すのは、まだ早いぞ?」
「だって、北斗さんとの結婚式だけでも嬉しいのに、星也が運んでくれた指輪で、永遠の愛の誓いをするなんて、幸せ過ぎて…」

小さい頃から、教室で1人本を読んでいた私…
こんなに素敵な旦那様と、可愛い息子と幸せな暮らしが待っているなんて、思いもせず、過ごしてきた日々…

「ありがとうございます。私は世界一、幸せ者です」
「これで満足するな。まだまだこれからだ。さぁ、星也が待っている。迎えに行こう」
2人の好きな音楽が流れ、愛する星也の元へ、車は走り出した。
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