前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
「綾奈、宇河家の力は、目の色によって違う。ブラウンは安定した心、安らぎを与える。きっと、綾奈の力が合わさってだ。星也の目の色がブラウンで分からなかったが、間違い無く俺の力を受け継いでいる」

しかし、オーラが見える力は、遥か昔の北星、そして俺だ。本来なら、数百年後のはずだが…

それに、俺も力を失わずにいる。
やっぱり、綾奈の力が合わさったからか…

2人の力を受け継ぐ星也。
強力な力に加えて、癒やしと安らぎか…
俺には無い力だ。
きっと、俺よりも経済界を牽引する存在になるのは、間違いない。

でも、綾奈に似た星也なら…
その力を、ドクターになって、たくさんの人の支えになりたいと言いそうだ。

そうだ、それがいい。
強力な力は、敏腕ドクターによる治療として、誰も気付かないだろう。

「綾奈、これからは、医療界とのパイプを強化するぞ」
きっと、星也の力は、ドクターが1番合っている。

「楽しそうですね、北斗さん」
「あぁ、ワクワクしてる」
「そんな北斗さんを見ていると、私までワクワクします」

いつも、一緒に笑って、悩んで、俺が行き詰まると、静かに傍にいてくれる。
綾奈がただ傍にいるだけで、癒やされる。
2人の力を受け継いだ星也が、綾奈に似て良かった。

綾奈に出逢わなければ…
俺は、自分の子供を腕に抱く温もりを…
新しい家族が増える楽しみを…
家族を守る幸せを…味わうことは無かっただろう。
「綾奈、ありがとう」
全ては、愛する綾奈のお陰だ。

「パパ…ももっ!」
抱っこしている星也に、綾奈への愛情の色を見透かされて、顔が熱くなった。
恥ずかしいって、こういうことか…

「ママには、しっ!だよ。いいね、星也」
「うん、しっ!」
小さい手で、口の前に人差し指を当てる星也が、微笑んでいた。

これは、先が思いやられるな…
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