前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
【純白のオーラを纏う君との出会い~北斗】
自分自身と同じように、人を大切に出来ない者は、俺の会社では務まらない。
その志を持った者だけが、オーラの見える俺についていける。
完璧じゃなくていい。俺が手助けすればいいことだから。

「社長。今日の午後から、最終面接が始まります」
「分かりました。社長室に戻ります」

俺は、社長室で面接の状況を、Web上で観察している。
面接官は、一般的なことを質問する。
ただ、それだけで、俺の目には本当か嘘かも分かれば、色と動きで、その人の感情まで見えてくる。
こんな時は便利な能力だ。

「次で最後の面接になります」
「えぇ、分かりました」
イヤホン越しでその言葉を聞いた時、今までに無い、気持ちの高ぶりに、自分自身でびっくりした。

これだけ沢山の人が来ても、合格者は数人いれば良い方だ。
ただ、今日はいつもと違う。

書類選考では、各部署が合否を判定した後、一通り目を通す。
俺が見るのは、写真に映し出されるオーラ。
不合格者リストの最後の子を見た時、思わず手が止まった。
彼女を実際に、この目で確かめたい。

モニター越しに、その彼女が入室して、息を呑んだ。
これは…嘘だろ?
全く混じり気の無い純白…

俺が探し求めていたオーラを持つ女性。
直ぐに人事部長に、
「彼女は合格です。直ぐに私の部屋に通してください。他に行かないように説得します」
そう告げると、面接が始まる前に出した指示に、戸惑っていた。
「ま、まだ何も…」
「社長命令です。早く案内してください」
「承知しました」

初めて味わう、胸が締め付けられるこの感情は何だ?
会いたい衝動が抑えられない。
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