前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
北斗さんに似た朋香は、5歳ながら口が立つ。
オーラの色は、行動的なオレンジだって、北斗さんと星也が教えてくれた。

「朋香は、星也の言うことは、よく聞きますね」
「まぁ、朋香の気持ちは分かる。俺が言うことを聞くのは、綾奈しかいないから」
北斗さんが、私を見つめて、頬を撫でようと手を伸ばす。

その時、星也と朋香がバッグを持って、部屋から出て来た。
星也がジッと、北斗さんを見つめている。

「星也、俺のオーラを言うなよ」
「約束したから言わないよ。それに、いつものことだから」

時々、2人で話す内容は、私には分からない世界…
前に「男同士の約束だ」って、私を見ながら、北斗さんが星也と話をしていたけど…
もう、2人の会話が気にならなくなった。

2人を迎えに来る約束の10時になり、マンションの入り口に4人で行くと、富田さんが車から出て待っていた。

「皆さん、おはようございます」
「富田のおじちゃま!」
朋香は、富田さんが大好きで、飛びついている。
「これは、朋香さん。相変わらずお元気ですね。さぁ、星也さんも行きましょう」
「富田さん、宜しくお願いします」
「北斗様、お任せください。旦那様や奥様だけではなく、私も各スタッフも、楽しみにしていましたから」
「2人とも、皆さんの言うことを聞くのよ」
「はい、ママ!行ってくるね、パパ!」
「朋香のことは、僕がいるから心配しないで」

2人は、北斗さんと私に、交互に抱きついた後、車に乗ると、嬉しそうに手を振って、富田さんの会釈と同時に車は出発した。
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