前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
部屋に戻ると、さっきまでの賑やかさが、嘘のように静まりかえる。
2人が出会って過ごした部屋。
星也が産まれ、初めての子育てに、戸惑うことばかりだった。
そして、朋香が産まれ、4人で賑やかに過ごす生活が、当たり前になっていたんだ。

「静かですね…部屋も広く感じる」
「寂しいか?」
「そうですね…寂しいです。でも、2人穏やかに過ごせますから」
「穏やかにね…きっとそれは無理だと思う」

そうかぁ…
今、医学部に行きたい優秀な学生が、勉強する環境、学費の調達で、諦めることがないように、教育プロジェクトを起ち上げた。
そして、ドクター育成機関も充実させ、国内外での協力体制も整えた。
膨大な事案を、全て把握している北斗さんは、穏やかになんて、過ごせないもんね…

「すみません。北斗さんは、ゆっくり出来ないですよね…」
「何のことだ?」
北斗さんは、私を後ろから抱きしめて、服の中に手を忍ばせる。

はっ!穏やかに過ごせないって、もしかして…
「あの、待ってください!まだ片付けの途中なんです」
「気兼ねなく綾奈を抱けるんだ。待てるわけないだろ?」

顎に手をかけ振り向かせ、荒々しくキスを求める北斗さんを受け入れると、抱きかかえられて、ベッドまで運ばれた。

子供達と共に、親としても成長した2人。
社長として、貫禄が増した北斗さんは、海外でも日本を牽引する経営者として、雑誌やメディアに取り上げられている。

結婚してから、更に飛躍した宇河HDの社長、北斗さん。
でも、家に帰ると、会社では見せない、甘々パパの北斗さん。
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