前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
【初めての1人暮らしは、ドキドキの始まり】
「ここ…ですか?」
車の中から見た、目の前の新居に圧倒される。

新しい家に引っ越す日は、会長秘書の富田さんが家まで迎えに来てくれた。
着いた先は、そびえ立つタワーマンション。

「はい。セキュリティに問題はありませんので、ご心配いりませんよ」
「いいんでしょうか…私みたいな者が、こんな立派な家を提供していただいて…」
「社長秘書として勤めていただきますので。但し、このことは、他の従業員には知られないようにしてください。そして、会長にも。社長と星部さんと私だけの秘密です」
「は、はい。約束は守ります」

秘書になっただけでも、嘘みたいな話なのに、秘書だからって、こんなに素敵な家に住ませてもらえるなんて…

秘書に採用が決まってから、何度も頬をつねったけど、やっぱり痛い。
夢みたいだけど、現実なんだ…

「では、ご案内します。入り方は覚えてください。分からない時は、コンシェルジュにお申し付け下さい」
富田さんについて部屋まで行く間、テレビや雑誌で見たランキング上位の海外高級ホテルに、迷い込んだ錯覚に陥る。
私…遅刻せず、出勤出来るかなぁ…

「ここは、お隣に住む人達と顔を合わせないようになっています。でも、社長がこのビルを建てる時、仕事用とプライベート用にと、2つ用意したんですよ」
もう、私の常識の範疇から、別世界の話だ。

「こちらです。荷物が届きますので、私は一旦、下に降ります。ソファに掛けてお待ちください」
富田さんがドアを開けて、私は恐る恐る入ると、白を貴重とした部屋に、木目調の家具、広いリビングにゆったりとした存在感あるソファが置かれていた。

家具や家電は全て揃っていて、私の服や身の回りの物は、小さな車で配送出来るほどだった。
広い部屋が2つもある…
リビングだけでも、十分の広さだ。

光熱費もいらないって言われたけど、無駄に使わないように気を付けないと…
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