前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
【社長秘書の始まりは、初恋の予感?】
ここ3年ほど、離職率が0に近いと言われる宇河HDは、毎年採用人数が少なく、かなりの競争率になる。
今年は新卒、中途採用者と合わせて10名で、新卒者の後ろに、私達は着席した。

私以外は、40代の如何にもキャリアを重ねてます、っていう貫禄さえ感じる。
そして、新卒の子達は、私に違和感を感じ、2度見していた。

更に辞令式で、私が社長秘書として配属されることを知って、皆が無言の『えっ?彼女が?』って空気を放っていた。

そうだよね…そうなるよね…
私だって、どうして『困った時の星部』がこうなっているのか、分からないんだもん。

そんな空気の中、ようやく式が終了すると、
「星部さん、早速、社長室を案内するから行こうか」
「は、はい」
皆の視線が集まる中、私は社長の後ろについて歩いた。
歩いていると、更に注目を浴びる。

私の人生に『注目される』なんて文字が無かったから、突き刺さる視線が、恥ずかしくてしかたない。

「気にしなくていいよ。俺は今まで秘書を付けなかったから、皆、興味があるだけだ」
「あの…本当に私で大丈夫でしょうか…」
「この会社はね、人としてお互いを尊重出来ない人は、務まらないんだ。妬む、恨むなんて心を持つ人は、居心地が悪くなって、会社の悪口言って辞めて行くよ」
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