前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
す、凄い…
「だから、自ずと相乗効果で、業務にもいい影響を与えている」
「そんな理想的な会社って…」
「本来は難しいよね。でも、ここはそうなんだ。出来ない人は、自然と皆の仕事についていけなくなっていくよ。それに俺が…」
私が社長に目を向けると、
「いや、何でもない。ここだよ」
社長室を開けると、緊張感が走った。

「秘書室は、ここのドアからも出入り出来るし、廊下に繋がるドアもある」
社長が内ドアを開けると、重厚感がある部屋は、書棚にデスク、給茶室に冷蔵庫などと、寝泊まりできそうなくらい整っていた。

「着替える時は、鍵は閉めた方がいいよ。今までの習慣で、ドアを勝手に開けてしまうかもしれないから」
「は…はい。気を付けます」
一瞬想像したら、顔が火照ってしまった。
「仕事はゆっくり覚えたらいいから。分からない事は聞いて」
「宜しくお願いします」
「あっ、明日だけど、来客の対応をしてもらうよ。詳しくは後で説明するから」
「承知しました」

はぁ…
何をしていいか分からないし、圧倒されることばかり…
私…失礼の無いように務まるのかな…
直ぐに他の部署に異動だよって言われて、営業部、なんて事になったら、又、転職活動しないと…

「そんなに不安がることは無いよ。俺がついているから。それと、疲れた時は、秘書室で休んだらいいよ。あっ、俺が言ったってことは内密に」

ウインクして、人差し指を唇に当てる仕草は、街の大きな広告や駅地下の広告パネルに、そのままイケメンモデルとして起用されるくらい、カッコいい。
きっと皆、足を止めて、中には写真を撮る人もいるはず…
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