前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ

初めて会った時は、凄く威圧感があって、クールなイメージだったけど、物腰柔らかくて、凄く優しい。
笑顔は、あまりに爽やかで、社長の周りだけ輝いているようにも見える。

そして、私が考えていることを理解してくれる。
沢山の従業員を見て来たから、養われた力なのかなぁ？
まるで、私の心が見えるみたい…
はっ！社長に憧れているのも、分かってたりして。
なんて、さすがの社長も、それは出来ないか…

「ん？どうした？何か不安事でも？」
「あっ、いえ、何でもありません」
「そう？午前中は、社内の案内をするよ。さぁ行こうか」
「はいっ、お願いします」

これから始まる秘書生活。
不安と期待を胸に、社長の後ろについて歩いた。

「部屋の住み心地はどうかな？」
「私には、勿体ない部屋です」
「何かあれば、直ぐに言ってくれたらいいし、俺がいない時は、コンシェルジュに頼めばいい」
「すみません、こんな私に…」
「ストップ！君が謙虚なことは知っている。だが、これからは、自分を蔑む言葉は、口に出さないこと。君を秘書に選んだ俺にも、失礼だろ？」

そう言えば…
私、社長と出会って、そんな言葉をよく言っていた。
そうだ…そうだよね。社長に失礼すぎる。
まだ、何も始まってないんだから。