前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
それから1ヶ月、目まぐるしい毎日が続いた。
社長は、役員や部長から決算報告を受けている。

財務担当役員は、元国税専門官、経理部長は元大手税理士法人で、海外経験もある公認会計士。

2人とも社長に声を掛けられ、惚れ込んで来たってことを、自己紹介の時に本人達が説明してくれた。
そして社長は、その2人と対等に話をしている。
どれだけハイスペックなんだろう。

社長は、会社にいる時は、社内を歩いて皆の様子を伺っている。
気になった人には声を掛けたり、社長室に呼んで、話を聞いている。

1人1人を気に掛けていた。
社長が言ってた通り、この会社に他の人を尊重しない人はいない。
きっと、そんな人達が働く会社だから、妬んだり、蹴落としたりする人は、自然と自ら孤立して、いられなくなるんだ。

こんな大企業を33歳で守っている社長って、本当に凄い。
もしかして、ほんのわずかな時間かもしれないけど、傍で仕事が出来ることに、感謝しないと…

「星部さん?」
「は、はいっ!」
「俺の顔に、何か付いているのかな?」
「い、いえ、何も」
「そんなに見つめられると、恥ずかしいんだが」
「すみません!私、コンサルタントファームで働いていましたので、周りは凄くスキルの高い人達ばかりでしたが、社長は想像を遙かに超えているなって…考えていまして…」
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