前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
【俺が嫉妬?膨れ上がる思い~北斗】
またあの夢か…
着物の女性が振り向くと、その女性は星部さんに変わっていた。

重症だな、俺…
まだ、秘書になって2ヶ月だというのに、抑えている気持ちが、夢にまで出るようになってきた。

純情無垢な彼女に、社長の俺が言い寄ったら、きっと彼女は、命令として従うかも知れない。
そんな悲しいことはしたくない。

経営に関して、百戦錬磨の俺が、1人の女性、それも年下に翻弄されるなんて、誰も信じないだろう。
俺ですら、初めての経験だから。

そんな時に現れた、元上司の掛井さんと食事か…
真面目で優しい人柄と、彼女を守りたいという正義感。
星部さんと話をしている時に、淡いピンク色に変わったオーラは、彼女への愛情。
そして、グレーは、上司の俺への嫉妬。

彼と付き合っても、きっと幸せになれる。
でも、彼女を譲るつもりは無い。

監査人と食事の後、「私はこれで」と、挨拶と同時に慌てて、2人の店に向かった。

もし、掛井さんと話をしている星部さんのオーラに、ピンク色が混ざっていたら…
俺は、諦められるだろうか…

そう思って、店から出て来た2人を見つけた時、掛井さんの一面ピンクに輝くオーラに、包み込まれそうな星部さんを見て、急ぎ足で思わず声を掛けてしまった。

掛井さんが、星部さんに気持ちを聞かす前に、話をつけよう。
彼には悪いが、やはり、彼女を渡すつもりは無い。
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