前世の約束〜神の目を持つ敏腕社長は、純白オーラの秘書を慈しむ
星部さんと離れて、2人で話す時間。
「手を離すべきじゃなかったですね。でも、そうなる運命だった。彼女は、どんなに遠回りをしても、私の目の前に現れる存在です」
「それを決めるのは、貴方じゃありません。仕事はそうかもしれませんが、プライベートは別ですから」
「確かにそうですね」
「宇河HDの社長秘書という立場は分かっています。私は彼女の仕事を尊重し、支えになりたい。その思いを、私の気持ちを伝えたいだけです。きっと…彼女も分かってくれるはずです。泣かせるようなことはしません」
彼の真剣な顔つき、揺るぎない覚悟と俺に対する対抗心。
オーラの色に、炎のようにメラメラと情熱の濃い赤が混じる。
「私が彼女を社長秘書にしたのは、秘書が必要だったからじゃありません。一目で、私の傍にいて欲しい。そう思ったから、秘書にしたんです」
「もしかして…宇河社長も」
「でも、掛井さんの言う通り、決めるのは星部さんですね。彼女の意思に任せましょう」
星部さんのオーラを見て、確信はあった。
掛井さんと2人の時は、愛情のピンクは無く、いつもの純白。
でも、それが必ずではない。
2人が過ごした時間。それは俺よりも長い。
そこで生まれた深い絆は、俺に読み解くことは出来ない。
もし、俺を選ばなければ…
優秀な秘書として、育てていくだけだ。
そして、彼女が選んだのは…
「社長!待って下さい!――」
その言葉と、駆け寄る足音に、俺の覚悟は決まった。
時間がなんだ、立場がなんだ。
俺は、彼女を愛している。
「帰ろうか、星部さん」
振り向いて掛井さんに頭を下げると、唇を噛んだ掛井さんが深々と頭を下げていた。
「社長、掛井さんと何を話していたんですか?」
「男同士の話だ」
「私は上司に恵まれて幸せです」
無邪気な笑顔で俺を見つめる。
全く…その笑顔はズルいぞ。
「手を離すべきじゃなかったですね。でも、そうなる運命だった。彼女は、どんなに遠回りをしても、私の目の前に現れる存在です」
「それを決めるのは、貴方じゃありません。仕事はそうかもしれませんが、プライベートは別ですから」
「確かにそうですね」
「宇河HDの社長秘書という立場は分かっています。私は彼女の仕事を尊重し、支えになりたい。その思いを、私の気持ちを伝えたいだけです。きっと…彼女も分かってくれるはずです。泣かせるようなことはしません」
彼の真剣な顔つき、揺るぎない覚悟と俺に対する対抗心。
オーラの色に、炎のようにメラメラと情熱の濃い赤が混じる。
「私が彼女を社長秘書にしたのは、秘書が必要だったからじゃありません。一目で、私の傍にいて欲しい。そう思ったから、秘書にしたんです」
「もしかして…宇河社長も」
「でも、掛井さんの言う通り、決めるのは星部さんですね。彼女の意思に任せましょう」
星部さんのオーラを見て、確信はあった。
掛井さんと2人の時は、愛情のピンクは無く、いつもの純白。
でも、それが必ずではない。
2人が過ごした時間。それは俺よりも長い。
そこで生まれた深い絆は、俺に読み解くことは出来ない。
もし、俺を選ばなければ…
優秀な秘書として、育てていくだけだ。
そして、彼女が選んだのは…
「社長!待って下さい!――」
その言葉と、駆け寄る足音に、俺の覚悟は決まった。
時間がなんだ、立場がなんだ。
俺は、彼女を愛している。
「帰ろうか、星部さん」
振り向いて掛井さんに頭を下げると、唇を噛んだ掛井さんが深々と頭を下げていた。
「社長、掛井さんと何を話していたんですか?」
「男同士の話だ」
「私は上司に恵まれて幸せです」
無邪気な笑顔で俺を見つめる。
全く…その笑顔はズルいぞ。